実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約


    1996年(平成8年)12月20日  ジュネーヴで作成
    2002年(平成14年)5月20日  効力発生
    2002年(平成14年) 7月9日  加入書寄託
    2002年(平成14年)7月12日  公布(条約第8号)
    2002年(平成14年)10月9日  効力発生


    目次
    前文

     
    第一章 一般規定
     第一条 他の条約との関係
     第二条 定義
     第三条 この条約に基づく保護の受益者
     第四条 内国民待遇

    第二章 実演家の権利
     第五条 実演家人格権
     第六条 実演家の固定されていない実演に関する財産的権利
     第七条 複製権
     第八条 譲渡権
     第九条 貸与権
     第十条 固定された実演の利用可能化権

    第三章 レコード製作者の権利
     第十一条 複製権
     第十二条 譲渡権
     第十三条 貸与権
     第十四条 レコードの利用可能化権

    第四章 共通規定
     第十五条 放送及び公衆への伝達に関する報酬請求権
     第十六条 制限及び例外
     第十七条 保護期間
     第十八条 技術的手段に関する義務
     第十九条 権利管理情報に関する義務
     第二十条 方式
     第二十一条 留保
     第二十二条 適用期間
     第二十三条 権利行使の確保に関する規定

    第五章 管理条項及び最終条項
     第二十四条 総会
     第二十五条 国際事務局
     第二十六条 締約国となる資格
     第二十七条 この条約に基づく権利及び義務
     第二十八条 署名
     第二十九条 効力発生
     第三十条 締約国について効力が生ずる日
     第三十一条 廃棄
     第三十二条 言語
     第三十三条  寄託者


    前文
    締約国は、
    実演家及びレコード製作者の権利の保護をできる限り効果的かつ統一的に発展させ及び維持することを希望し、
    経済的、社会的、文化的及び技術的発展によって生ずる問題について適当な解決策を与えるため、新たな国際的な規則を導入する必要があることを認め、
    情報及び通信に係る技術の発展及び融合が実演及びレコードの生産及び利用に重大な影響を与えることを認め、
    実演家及びレコード製作者の権利と特に教育、研究及び情報の入手のような広範な公共の利益との間の均衡を保つ必要があることを認めて、
    次のとおり協定した。


             

    第一章 一般規定

    第一条 他の条約との関係
    (1) この条約のいかなる規定も、一九六一年十月二十六日にローマで作成された実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約(以下、「ローマ条約」という。)に基づく既存の義務であって締約国が相互に負うものを免れさせるものではない。
    (2) この条約に基づいて与えられる保護は、文学的及び美術的著作物の著作権の保護に変更を加えるものではなく、また、いかなる影響も及ぼすものではない。したがって、この条約のいずれの規定も、これらの著作権の保護を害するものと解することはできない。
    (3) この条約は、他の条約といかなる関係も有するものではなく、また、他の条約に基づくいかなる権利及び義務に影響を及ぼすものでもない。

    第二条 定義
    この条約の適用上、
     (a) 「実演家」とは、俳優、歌手、演奏家、舞踊家その他文学的若しくは美術的著作物又は民間伝承の表現を上演し、歌唱し、口演し、朗詠し、演奏し、演出し又はその他の方法によって実演する者をいう。
     (b) 「レコード」とは、実演の音その他の音又は音を表すものの固定物(映画その他の視聴覚的著作物に組み込まれて固定されたものを除く。)をいう。
     (c) 「固定物」とは、音又は音を表すものの収録物であって、装置を用いることにより知覚し、再生し又は伝達することができるものをいう。
     (d) 「レコード製作者」とは、実演の音その他の音又は音を表すものの最初の固定について主導し、かつ、責任を有する自然人又は法人をいう。
     (e) 固定された実演又はレコードの「発行」とは、権利者の同意を得て、当該固定された実演又はレコードの複製物を公衆に提供することをいう。ただし、当該複製物が相当な数量で提供される場合に限る。
     (f) 「放送」とは、公衆によって受信されることを目的とする無線による音の送信、影像及び音の送信又はこれらを表すものの送信をいう。衛星によるこれらの送信も「放送」である。暗号化された信号の送信は、暗号解除の手段が放送機関により又はその同意を得て公衆に提供される場合には、「放送」である。
     (g) 実演又はレコードの「公衆への伝達」とは、実演の音又はレコードに固定された音若しくは音を表すものを放送以外の媒体により公衆に送信することをいう。第十五条の規定の適用上、「公衆への伝達」は、レコードに固定された音又は音を表すものを公衆が聴くことができるようにすることを含む。

    第三条 この条約に基づく保護の受益者
    (1) 締約国は、他の締約国の国民である実演家及びレコード製作者に対して、この条約に定める保護を与える。
    (2) 「他の締約国の国民」とは、この条約のすべての締約国がローマ条約の締約国であるとしたならば、同条約に規定する保護の適格性の基準を満たすこととなる実演家又はレコード製作者をいう。締約国は、当該適格性の基準に関して、前条に定める定義を適用する。
    (3) ローマ条約第五条3の規定又は同条の規定の適用上同条約第十七条の規定を用いる締約国は、世界知的所有権機関(WIPO)事務局長に対し、これらの規定に定めるような通告を行う。

    第四条 内国民待遇
    (1) 各締約国は、この条約において特に与えられる排他的権利及び第十五条に規定する衡平な報酬を請求する権利に関して自国民に与える待遇を、前条(2)に規定する他の締約国の国民に与える。
    (2) (1)に規定する義務は、他の締約国が第十五条(3)の規定によって認められている留保を付する場合には、その留保の範囲においては適用しない。


    第二章 実演家の権利
    第五条  実演家人格権
    (1) 実演家は、その財産的権利とは別個に、当該財産的権利が移転された後においても、現に行っている実演(音に関する部分に限る。)及びレコードに固定された実演に関して、これらの実演に係る実演家であることを主張する権利(これらの実演を利用する態様により削除することがやむを得ない場合を除く。)及びこれらの実演の変更、切除その他の改変で、自己の声望を害するおそれのあるものに対して異議を申し立てる権利を保有する。
    (2) (1)の規定に基づいて実演家に認められる権利は、実演家の死後においても、少なくとも財産的権利が消滅するまで存続し、保護が要求される締約国の法令により資格を与えられる人又は団体によって行使される。もっとも、この条約の批准又はこれへの加入の時に効力を有する法令において、(1)の規定に基づいて認められる権利のすべてについて実演家の死後における保護を確保することを定めていない締約国は、それらの権利のうち一部の権利が実演家の死後は存続しないことを定める権能を有する。
    (3) この条において認められる権利を保全するための救済の方法は、保護が要求される締約国の法令の定めるところによる。

    第六条 実演家の固定されていない実演に関する財産的権利
    実演家は、その実演に関して、次のことを許諾する排他的権利を享有する。

      (i) 固定されていない実演の放送又は公衆への伝達を行うこと
       (実演が既に放送されたものである場合を除く。)
     (ii) 固定されていない実演を固定すること

    第七条 複製権

    実演家は、レコードに固定されたその実演について、直接又は間接に複製すること(その方法及び形式のいかんを問わない。)を許諾する排他的権利を享有する。

    第八条 譲渡権
    (1) 実演家は、レコードに固定されたその実演の原作品及び複製物について、販売その他の譲渡による公衆への供与を許諾する排他的権利を享有する。
    (2) この条約のいかなる規定も、固定された実演の原作品又は複製物の販売その他の譲渡(実演家の許諾を得たものに限る。)が最初に行われた後における(1)の権利の消尽について、締約国が自由にその条件を定めることを妨げるものではない。

    第九条  貸与権
    (1) 実演家は、実演家自身による又は実演家の許諾に基づく譲渡の後も、締約国の国内法令で定める範囲において、レコードに固定されたその実演の原作品又は複製物について、公衆への商業的貸与を許諾する排他的権利を享有する。
    (2) (1)の規定にかかわらず、レコードに固定された実演の複製物の貸与に関して実演家に対する衡平な報酬の制度を遅くとも一九九四年四月十五日以降継続して有している締約国は、レコードの商業的貸与が実演家の排他的複製権の著しい侵害を生じさせていないことを条件として、当該制度を維持することができる。

    第十条  固定された実演の利用可能化権
    実演家は、レコードに固定されたその実演について、有線又は無線の方法により、公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において利用が可能となるような状態に置くことを許諾する排他的権利を享有する。


    第三章 レコード製作者の権利
    第十一条 複製権
    レコード製作者は、そのレコードについて、直接又は間接に複製すること(その方法及び形式のいかんを問わない。)を許諾する排他的権利を享有する。

    第十二条 譲渡権
    (1) レコード製作者は、そのレコードの原作品及び複製物について、販売その他の譲渡による公衆への供与を許諾する排他的権利を享有する。
    (2) この条約のいかなる規定も、レコードの原作品又は複製物の販売その他の譲渡(レコード製作者の許諾を得たものに限る。)が最初に行われた後における(1)の権利の消尽について、締約国が自由にその条件を定めることを妨げるものではない。

    第十三条 貸与権
    (1) レコード製作者は、レコード製作者自身による又はレコード製作者の許諾に基づく譲渡の後も、そのレコードの原作品及び複製物について、公衆への商業的貸与を許諾する排他的権利を享有する。
    (2) (1)の規定にかかわらず、レコードの複製物の貸与に関してレコード製作者に対する衡平な報酬の制度を遅くとも一九九四年四月十五日以降継続して有している締約国は、レコードの商業的貸与がレコード製作者の排他的複製権の著しい侵害を生じさせていないことを条件として、当該制度を維持することができる。

    第十四条 レコードの利用可能化権
    レコード製作者は、そのレコードについて、有線又は無線の方法により、公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において利用が可能となるような状態に置くことを許諾する排他的権利を享有する。


    第四章 共通規定
    第十五条 放送及び公衆への伝達に関する報酬請求権
    (1) 実演家及びレコード製作者は、商業上の目的のために発行されたレコードを放送又は公衆への伝達のために直接又は間接に利用することについて、単一の衡平な報酬を請求する権利を享有する。
    (2) 締約国は、実演家若しくはレコード製作者又はその双方のいずれが利用者に対して単一の衡平な報酬を請求するかについて、その国内法令において定めることができる。締約国は、単一の衡平な報酬を配分する条件について実演家とレコード製作者との間に合意がない場合には、当該条件を定める国内法令を制定することができる。
    (3) いずれの締約国も、(1)の規定を特定の利用にのみ適用すること、(1)の規定の適用を他の方法により制限すること又は(1)の規定を適用しないことを、世界知的所有権機関事務局長に寄託する通告において、宣言することができる。
    (4) この条の規定の適用上、有線又は無線の方法により、公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において利用が可能となるような状態に置かれたレコードは、商業上の目的のために発行されたものとみなす。

    第十六条 制限及び例外
    (1) 締約国は、実演家及びレコード製作者の保護に関して、文学的及び美術的著作物の著作権の保護について国内法令に定めるものと同一の種類の制限又は例外を国内法令において定めることができる。
    (2) 締約国は、この条約に定める権利の制限又は例外を、実演又はレコ―ドの通常の利用を妨げず、かつ、実演家又はレコード製作者の正当な利益を不当に害しない特別な場合に限定する。

    第十七条 保護期間
    (1) この条約に基づいて実演家に与えられる保護期間は、実演がレコードに固定された年の終わりから少なくとも五十年とする。
    (2) この条約に基づいてレコード製作者に与えられる保護期間は、レコードが発行された年の終わりから、又はレコードへの固定が行われてから五十年以内に発行されなかった場合には当該固定が行われた年の終わりから、少なくとも五十年とする。

    第十八条 技術的手段に関する義務
    締約国は、実演家又はレコード製作者によって許諾されておらず、かつ、法令で許容されていない行為がその実演又はレコードについて実行されることを抑制するための効果的な技術的手段であって、この条約に基づく権利の行使に関連して当該実演家又はレコード製作者が用いるものに関し、そのような技術的手段の回避を防ぐための適当な法的保護及び効果的な法的救済について定める。

    第十九条 権利管理情報に関する義務
    (1) 締約国は、この条約が対象とする権利の侵害を誘い、可能にし、助長し又は隠す結果となることを知りながら次に掲げる行為を故意に行う者がある場合に関し、適当かつ効果的な法的救済について定める。さらに、民事上の救済については、そのような結果となることを知ることができる合理的な理由を有しながら次に掲げる行為を故意に行う者がある場合に関しても、これを定める。
    (i) 電磁的な権利管理情報を権限なく除去し又は改変すること
    (ii) 電磁的な権利管理情報が権限なく除去され又は改変されたことを知りながら、実演又は固定された実演若しくはレコードの複製物を権限なく頒布し、頒布のために輸入し、放送し、公衆に伝達し又は公衆により利用が可能となる状態に置くこと
    (2) この条において、「権利管理情報」とは、実演家、実演家の実演、レコード製作者、レコード、実演若しくはレコードに係る権利を有する者又は実演若しくはレコードの利用の条件に係る情報を特定する情報及びその情報を表す数字又は符号をいう。ただし、これらの項目の情報が固定された実演若しくはレコードの複製物に付される場合又は固定された実演若しくはレコードを公衆に伝達し若しくは公衆により利用が可能となる状態に置くに当たって当該固定された実演若しくはレコードとともに公衆に伝達され若しくは公衆により利用が可能となる状態に置かれる場合に限る。

    第二十条 方式
    この条約に定める権利の享有及び行使には、いかなる方式の履行をも要しない。

    第二十一条 留保
    第十五条(3)の規定が適用される場合を除くほか、この条約には、いかなる留保も付することができない。

    第二十二条 適用期間
    (1) 締約国は、この条約に定める実演家及びレコード製作者の権利について、文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約第十八条の規定を準用する。
    (2) (1)の規定にかかわらず、締約国は、第五条の規定の適用を、この条約が自国について効力を生じた後に行われた実演に制限することができる。

    第二十三条 権利行使の確保に関する規定
    (1) 締約国は、自国の法制に従い、この条約の適用を確保するために必要な措置について定めることを約束する。
    (2) 締約国は、この条約が対象とする権利の侵害行為に対し効果的な措置(侵害を防止するための迅速な救済措置及び追加の侵害を抑止するための救済措置を含む。)がとられることを可能にするため、権利行使を確保するための手続を国内法令において確保する。


    第五章 管理条項及び最終条項

    第二十四条 総会
    (1)
    (a) 締約国は、その総会を設置する。
    (b) 各締約国は、一人の代表によって代表されるものとし、代表は、代表代理、顧問及び専門家の補佐を受けることができる。
    (c) 各代表団の費用は、その代表団を任命した締約国が負担する。総会は、世界知的所有権機関に対し、国際連合総会の確立された慣行に従って開発途上国とされている締約国及び市場経済への移行過程にある締約国の代表の参加を容易にするために財政的援助を与えることを要請することができる。
    (2)
    (a) 総会は、この条約の存続及び発展並びにこの条約の適用及び運用に関する問題を取り扱う。
    (b) 総会は、政府間機関が締約国となることの承認に関し、第二十六条(2)の規定により与えられる任務を遂行する。
    (c) 総会は、この条約の改正のための外交会議の招集を決定し、当該外交会議の準備のために世界知的所有権機関事務局長に対して必要な指示を与える。
    (3)
    (a) 国である締約国は、それぞれ一の票を有し、自国の名においてのみ投票する。
    (b) 政府間機関である締約国は、当該政府間機関の構成国でこの条約の締約国である国の総数に等しい数の票により、当該構成国に代わって投票に参加することができる。当該政府間機関は、当該構成国のいずれかが自国の投票権を行使する場合には、投票に参加してはならない。また、当該政府間機関が自らの投票権を行使する場合には、当該構成国のいずれも投票に参加してはならない。
    (4) 総会は、世界知的所有権機関事務局長の招集により、二年に一回、通常会期として会合する。
    (5) 総会は、臨時会期の招集、定足数、種々の決定を行う際に必要とされる多数(この条約の規定に従うことを条件とする。)その他の事項について手続規則を定める。

    第二十五条 国際事務局
    世界知的所有権機関国際事務局は、この条約の管理業務を行う。

    第二十六条 締約国となる資格
    (1) 世界知的所有権機関の加盟国は、この条約の締約国となることができる。
    (2) 総会は、この条約が対象とする事項に関し権限を有し及びそのすべての構成国を拘束する自らの法制を有する旨並びにこの条約の締結につきその内部手続に従って正当に委任を受けている旨を宣言する政府間機関が、この条約の締約国となることを認める決定を行うことができる。
    (3) 欧州共同体は、この条約を採択した外交会議において(2)に規定する宣言を行っており、この条約の締約国となる資格を有するものとする。

    第二十七条 この条約に基づく権利及び義務
    各締約国は、この条約に別段の定めがある場合を除くほか、この条約に基づくすべての権利を享有し、すべての義務を負う。

    第二十八条 署名
    この条約は、一九九七年十二月三十一日まで、世界知的所有権機関の加盟国及び欧州共同体による署名のために開放しておく。

    第二十九条 効力発生
    この条約は、三十の国の批准書又は加入書が世界知的所有権機関事務局長に寄託された後三箇月で効力を生ずる。

    第三十条 締約国について効力が生ずる日
    この条約は、次に掲げる日から締約国を拘束する。
    (i) 前条に規定する三十の国については、この条約が効力を生じた日
    (ii) (i)の国以外の国については、当該国が世界知的所有権機関事務局長に批准書又は加入書を寄託した日から三箇月の期間が満了した日
    (iii) 欧州共同体については、前条の規定によるこの条約の効力発生の後にその批准書又は加入書が寄託された場合には、その寄託の日から三箇月の期間が満了した日。この条約の効力発生以前に当該文書が寄託された場合には、この条約の効力発生の日から三箇月の期間が満了した日
    (iv) 欧州共同体以外の政府間機関で締約国となることを認められたものについては、その加入書が寄託された日から三箇月の期間が満了した日

    第三十一条 廃棄
    いずれの締約国も、世界知的所有権機関事務局長にあてた通告により、この条約を廃棄することができる。廃棄は、同事務局長がその通告を受領した日から一年で効力を生ずる。

    第三十二条 言語
    (1) この条約は、ひとしく正文である英語、アラビア語、中国語、フランス語、ロシア語及びスペイン語による原本一通について署名する。
    (2) 世界知的所有権機関事務局長は、いずれかの関係国の要請により、すべての関係国と協議の上、(1)に規定する言語以外の言語による公定訳文を作成する。この(2)の規定の適用上、「関係国」とは、世界知的所有権機関の加盟国であって当該公定訳文の言語をその公用語又は公用語の一とするもの並びに欧州共同体及び締約国となる資格を有する他の政府間機関であって当該公定訳文の言語をその公用語の一とするものをいう。

    第三十三条 寄託者
    この条約の寄託者は、世界知的所有権機関事務局長とする。


    [日本国の留保宣言]

    外務省告示第三百一号 平成十四年七月十二日(抄)

    日本国政府は、平成八年十二月二十日にジュネーブで作成された「実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約」の加入書を平成十四年七月九日に世界知的所有権機関事務局長に寄託した。
     よって、同条約は、その第三十条(ii)の規定に従い、平成十四年十月九日に日本国について効力を生ずる。
     なお、日本国政府は、同条約の加入書を寄託する際に、同条約の規定に基づいて次の宣言を世界知的所有権機関の事務局長に通告した。
    1  第三条(3)の規定に基づき、保護の対象となる他の締約国のレコード製作者の範囲の決定に際しては、発行の基準を適用しないこと。
    2  第十五条(3)の規定に基づき、放送及び有線放送において商業用レコードが直接利用される場合に同条(1)の規定を適用すること。
    3  第十五条(3)の規定に基づき、同条により留保を付している国の国民をレコード製作者とするレコードについては、相互主義に従い当該留保の範囲に制限して同条(1)の規定を適用すること。
    4  第十五条(3)の規定に基づき、有線又は無線の方法により、公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において利用が可能となるような状態に置かれたレコードについては、同条(1)の規定を適用しないこと。


    外務省告示第六十二号

    本国政府は、平成八年十二月二十日にジュネーブで作成された「実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約」の加入書を寄託する際に同条約の規定に基づいて宣言を付していたところ、同宣言を次のとおり修正する旨を平成二十年一月二十一日に世界知的所有権機関の事務局長に通告した。
    よって、同宣言の修正は、平成二十年一月二十一日に効力を生じた。
    平成二十年一月三十日  外務大臣 高村 正彦
    一   本宣言2を次のように改める。
      2   第十五条(3)の規定に基づき、放送、有線放送及び「入力型自動公衆送信」において商業上の目的のために発行されたレコードが直接又は間接に利用される場合に同条(1)の規定を適用すること。
    本宣言において「入力型自動公衆送信」とは、公衆によって直接受信されることを目的として、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している著作権法第二条第一項第九号の五イに規定する自動公衆送信装置に情報を入力することにより、公衆からの求めに応じ自動的に行われる送信をいう。
    本宣言4を次のように改める。
      4 第十五条(3)の規定に基づき、有線又は無線の方法により、公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において利用が可能となるような状態に置かれたレコードについては、「入力型自動公衆送信」における直接又は間接の利用の場合に同条(1)の規定を適用すること。

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