Q&A コンピュータ・ソフトウェア

    この「著作権Q&A  著作権って何?(はじめての著作権講座)」のコーナーでは、右の項目について、それぞれまず要旨を説明し、次に「Q&A」の形で、実際の事例にそった解説をします。

    市政100周年記念の博覧会の展示用に製作を委託したマルチメディア・ソフトの評判がいいのでCD-ROMにして販売しようと思うのですが、問題がありますか。
    まず、このマルチメディア・ソフトの著作権がどうなっているか検討する必要があります。

    マルチメディア・ソフトは、映像、音楽、ナレーションをデジタルデータ化し、これをコンピュータ・プログラムによって統合したものをいいます。現時点では、パソコン用のCD-ROMやTVゲーム等が代表的なものですが、今後はこれらに限らず、いろいろな媒体や用途が出てくるものと思われます。なお、マルチメディア・ソフトの映像・音楽などの中身は、通常、コンテンツと呼ばれています。

    ところで、マルチメディア・ソフトは、映像、音楽、ナレーション、コンピュータ・プログラム等いろいろな著作物の集合体ですので、映画の著作物のように多くの人間が製作に参加します。通常は、マルチメディア・ソフトの製作会社は、これら多数の製作に参加する人間との間で契約をすることによって、自社に著作権を帰属させる権利処理を行っています。

    市が博覧会の展示用に製作を委託したマルチメディア・ソフトの場合、市がマルチメディア・ソフトの製作会社と契約を締結して全部の著作権譲渡を受けていれば別ですが、このような著作権譲渡の契約をしていない限り、著作権は製作会社にあると考えていいでしょう。この場合、市はそのマルチメディア・ソフトを市政100周年の博覧会で展示をすることの許諾は製作会社から得ておりますが、その他の権利はありません。CD-ROMにするには、複製あるいは翻案といった権利が必要ですが、市はこれらの権利を有していないのです。

    したがって、評判がいいからといって市が製作会社の許諾なしに、このマルチメディア・ソフトをCD-ROMにして販売することはできません。

    なお、そのマルチメディア・ソフトに音楽が含まれている場合には、CD-ROMにすることは音楽の複製にもなりますので、音楽の著作権処理を行う必要もあります。

    照会先 根拠法令
    市民講座の一環としてパソコン教室を開催します。予算が足りないので1セットだけアプリケーションソフトを購入して、そのソフトを同教室内にある全部のパソコンのハードディスクにコピーしてもよいでしょうか。
    原則として、だめです。

    パソコン教室で使用するソフトウェアですから、パソコン用のパッケージ・ソフトが対象になっていると思います。ご存じのように、ソフトウェアはプログラムの著作物として著作権法によって保護されます。ソフトウェア(ソフト)をコピーするというのは、複製することですから、複製権を有する著作権者の許諾が必要となります。

    現在のパソコン用ソフトは、容量の関係からフロッピーディスクではなくCD-ROMになって販売されている場合が多いと思いますが、このCD-ROMをそれぞれのハードディスクにコピーして利用できるようにすること(インストールすること)も著作権法上の複製にあたります。CD-ROMの場合は、物理的にコピーできないようにするコピープロテクトがかかっていない製品がほとんどですから、会社内で1枚だけCD-ROMを購入して、職場内のすべてのパソコンのハードディスクにコピーしてしまうというようなことを行っているところもあるようですが、もちろん、このような行為は違法です。民事的に損害賠償請求をされることはもちろんですが、故意に著作権法に違反した場合には、刑事上の問題にもなりますので、このようなことは絶対にしてはいけません。

    市民講座で使用するだけという限定であれば、場所と使用時間及び使用目的は限定されておりますが、それでも一定時間ハードディスク上にソフトのコピーが残ることになりますので、著作権法によって許される行為ではありません。

    なお、このように、同じソフトウェアを多数使用する場合に、使用する数だけパッケージ・ソフトを購入するとそれぞれについてくる箱やマニュアルがわずらわしいですし、費用もかかります。そこで、ソフトウェア会社の中には、企業や学校向け等、1箇所でたくさんの数のソフトウェアを購入する必要がある場合には、同じパッケージ・ソフトを多数購入してもらうのではなく、大量ユーザー向けに特別なライセンス契約を用意しているところもあります。態様は各社それぞれ異なるようですが、たとえば、パッケージ・ソフトを1つ渡し、一定数まで追加コピーを認めることを許諾したり、マスター・ディスクを1つ渡して、それをユーザー側で一定数までコピーすることを許諾するようなものが多いようです。

    したがって、パソコン教室で使用する場合であれば、あらかじめそのようなライセンス契約ができるかどうかをソフトウェア会社に問い合わせてみるとよいでしょう。

    照会先 根拠法令
    市とソフトウェア会社が共同で、自治体の業務に使用するデータベース・ソフトを開発しました。評判がいいので他の自治体にも頒布する可能性もあります。それに備えてソフトウェアの登録を行いたいと思うのですが、どのような手続きがありますか。
    まず、市とソフトウェア会社が共同で開発したということですが、この場合の著作権の処理はどうなっているのでしょうか。処理してもらいたい業務をソフトウェア会社に指示してソフトウェアの開発を依頼しただけでは、市は共同でソフトウェアを開発した当事者とは言えず、ソフトウェア会社だけがソフトウェアの著作者となるでしょう。このような場合にも市でソフトウェアの著作権を取得したいのであれば、あらかじめ著作権譲渡をソフトウェア会社との契約によって取り決めておく必要があるでしょう。また、開発代金を支払っただけで、当然にソフトウェアの著作権が市に譲渡されるわけではありません。一般的には、開発代金の支払いは、あくまでもソフトウェアの開発と開発されたソフトウェアの納入に対する対価にすぎず、著作権譲渡の対価ではありません。

    これに対し、市の職員が実際上もソフトウェア会社と共同でデータベース・ソフトを開発した場合には、職務著作によって、市とソフトウェア会社とが共同著作者となり、共同で著作権を有することになるでしょう。

    ソフトウェアの著作権登録をする場合には、その他の著作物の著作権登録とは異なり、一般財団法人ソフトウェア情報センター(略称SOFTIC)に登録することになります。ソフトウェア(プログラム)の場合、外観からはどのような著作物であるか判別することができないので、マイクロフィッシュ又はCD-R・DVD-Rに複製したプログラムの著作物を提出させて登録手続きを行う等、その他の著作物とは登録手続きが異なるため、SOFTICで手続きを行っています。

    照会先 根拠法令

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