Q&A インターネット・ホームページ

    この「著作権Q&A  著作権って何?(はじめての著作権講座)」のコーナーでは、右の項目について、それぞれまず要旨を説明し、次に「Q&A」の形で、実際の事例にそった解説をします。

    観光客誘致のため、町にゆかりの深い作家の短歌や庁舎の外壁にある壁画をアップロードしています。町の発展のためですが、作家の了解が必要ですか。
    短歌は言語の著作物に該当します。庁舎の外壁にある壁画の場合はすべてが美術の著作物になるわけではないと思いますが、そのうちでも表現に創作性のあるものは美術の著作物に該当します。なお、庁舎の外壁にある壁画の著作権は当然に所有者である町に譲渡されているわけではありません。壁画の作者から町へ著作権譲渡の契約がない限り、壁画の作者が著作権を有します。

    著作権法で保護される期間は、原則として著作者の死後50年を経過するまでですので、短歌や壁画の著作者が死後50年を経過したものは著作権法の保護は受けません。したがって、戦前に死亡した我が国の作家の作品であれば、著作権法の保護は受けないでしょう。なお、作者が外国人の場合には、第二次世界大戦中の期間を加算する戦時特例に該当することもあります。この場合は、死後50年より保護期間が延びることもありますので、注意してください。

    以上の条件を満たしているもの、すなわち、創作性のあるものであって、かつ、著作権の保護期間が満了していないものは、著作権法の保護を受ける著作物になりますので、以下の問題が生じます。

    インターネット上のホームページに短歌や壁画をアップロードすることは、公衆送信権が働きます。すなわち、インターネットのホームページ上に著作物をアップロードして、インタラクティブ送信を行うことは、自動公衆送信として、公衆送信の一部となるのです。

    ところが、庁舎の外壁の壁画は、短歌とは異なる取扱いがあります。庁舎の外壁の壁画は美術の著作物で原作品が建造物の外壁に恒常的に設置されている場合です。この場合は、著作権法第46条によって、著作物の複製物の販売を目的として複製する等例外的に禁止されている複製以外には、自由に利用することができます。もちろん、インターネット上のアップロードに伴う公衆送信も自由に利用できる態様に含まれます。

    したがって、著作権法上の保護を受ける短歌をアップロードするのであれば、事前に著作者から許諾を受ける必要がありますが、庁舎の外壁の壁画をアップロードするのであれば、事前に許諾を受ける必要はありません。

    照会先 根拠法令
    市立図書館で雑誌の表紙・目次・記事のダイジェストをデータベース化し、ホームページにアップロードしていますが、問題はありませんか。
    まず、雑誌の表紙・目次・記事のダイジェストをデータベースにする行為は、著作権法上どのような意味を有するかを考える必要があります。雑誌の表紙は、タイトル・記事の見出しと共に写真やイラストがデザインされて掲載されている場合が一般的です。したがって、雑誌の表紙自体は、写真の著作物あるいは美術の著作物としての保護を受けます。

    また、雑誌の目次は雑誌に掲載されている記事の内容を工夫して簡潔に表現し配列したものであって、単純に配列されたもの以外は、表現、選択、配列に創作性が認められるでしょう。この場合は、雑誌の目次自体も著作物として著作権法上保護されます。

    最後に記事のダイジェストを行う行為ですが、このダイジェストというのは、元の記事を読まなくてもその内容がわかるように要旨を記述する行為であれば、著作権法上の翻案に該当します。

    これらをデータベース化することは、当然、複製権あるいは翻案権が働きます。更に、インターネットのホームページにこのデータベースをアップロードする場合には、先ほどの設問でも述べたように、著作権法の公衆送信権が働きます。したがって、著作権法上、定められた例外規定を除いてはこれらを許諾なく行うことはできません。

    それでは、市立図書館であれば、著作権者に無許諾でホームページにアップロードすることができるでしょうか。結論としては、無許諾ではできません。なぜなら、市立図書館が、著作権法上特に認められている行為は、以下の複製行為に限られるからです。
    1. 図書館の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個々の著作物にあっては、その全部)の複製物を1人につき1部提供する場合
    2. 図書館資料の保存のため必要がある場合
    3. 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合
    4. 国立国会図書館が絶版等資料に係る著作物について自動公衆送信した場合、図書館の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、その自動公衆送信される著作物の一部分の複製物を作成し1人につき1部提供する場合
    また、公衆送信については、国立国会図書館が絶版等資料に係る著作物について図書館等において公衆に提示することを目的とする例外的場合を除いては、図書館といっても無許諾で行うことは認められておりません。

    したがって、図書館がホームページに雑誌の表紙・目次・記事のダイジェストをデータベース化してアップロードする行為は、いずれも雑誌社等著作権者の許諾を得なければ行えません。

    照会先 根拠法令
    県民サービスの一環として、都市計画の図面や県議会の議事録をアップロードして提供していますが、問題はありませんか。
    都市計画の図面は、図面の著作物として、著作権法上の保護を受けます。そこで、都市計画の図面の著作権を誰が有しているかが問題となります。通常は、県の職員が作成したものでしょうから、これは職務著作として県が著作権を有するでしょう。都市計画の図面を県が業者に依頼して作成させたものである場合には、その図面の作成者である企業が著作権を有するでしょうから、契約によって著作権の譲渡を受けなければなりません。個々の図面の著作権の譲渡契約を個別に締結することは煩瑣ですから、「その業務の遂行過程において生じた成果物の著作権は県に譲渡される」というような条項を入れておくことも考えられるでしょう。このような条項がある契約を業者と締結しているのであれば、都市計画図面の著作権は県に譲渡されたものといえるでしょう。

    次に、県議会の議事録についてです。まず、著作権法第40条第2項によって、県議会において公開で行われた質疑応答・答弁などは、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞や雑誌への掲載や放送・有線放送(IPマルチキャスト放送における同時再送信を含む)が認められます。しかし、残念ながら、インターネットにアップロードする場合の公衆送信は未だ著作権法第40条第2項に含まれておりません。

    そこで、そもそも県議会の議事録の著作権が誰にあるのかを考えてみます。議事録のうち、速記のように詳細なものは議会での発言内容を記録したものですから、議員・議長や行政機関あるいは第三者たる外部の参考人など議会の発言者全員がこの議事録の共同著作者となるでしょう。このうち、議員・議長や県の職員の発言の議事録は、職務著作、あるいは職務著作に準じるものとして当然に県に著作権が帰属すると考えることもできます。しかし、秘密会等特別の場合を除き、公開の議会における発言者はあらかじめ発言の記録及び外部公表を承認しているものですから、議会出席の際にあらかじめ議事録に関する著作権を県に譲渡したものと考えたほうが自然でしょう。

    なお、県の職員が議事内容を要約した議事録を作成した場合には、議事録作成者は、翻案物(二次的著作物)の作成者と考えることができます。この場合も、職務著作となると思われますから、県議会の議事録は県に著作権が帰属することになります。

    ホームページにアップロードする行為は、公衆送信権の行使となりますが、都市計画図面や議事録が自己の著作物である場合には、そもそも問題は生じません。

    根拠法令
    地元に古くから伝わる民謡の歌詞、メロディを古文書とともにアップロードしていますが、問題がありますか。
    地元に古くから伝わる民謡であれば、歌詞やメロディの作者は不詳であることが一般的だと思われます。また、作者がはっきりしていても、現行の著作権法で保護される著作物は原則として作者の死後50年が経過するまでですので、古くから伝わる民謡であれば既に作者の死後50年ほどは経過しているものと思われます。ただし、古くから伝承されている民謡であっても、近年になって歌詞を改変したりメロディをアレンジして発表した場合には、改変、アレンジされた歌詞やメロディについて著作権が成立する可能性はあります。

    そうでない場合には、古くから伝わる民謡の歌詞をまとめたりメロディを楽譜の形としただけでは著作権法上は保護されませんから、歌詞やメロディ自体を文章や楽譜の形でアップロードすることは問題ないでしょう。

    また、古文書に書かれた文章をインターネットでアップロードするのも、民謡の歌詞やメロディの著作権と同じく、著作権法の保護の期間が既に切れていると思われますから著作権法上の問題は生じません。

    ところで、インターネット上では、音楽を音として配信することもできます。民謡の歌詞やメロディを音としてアップロードする場合には、民謡の作者の著作権の問題とは別に民謡の歌唱者の歌唱の保護の問題が生じます。

    生の歌唱をそのままインターネットにアップロードした場合には、歌唱者(実演家)の録音権送信可能化権が及びます。レコードやCDに録音された民謡の歌唱をインターネットにアップロードする場合は、レコード製作者の商業用レコードの複製権送信可能化権も及びます。更に、放送された民謡の歌唱をインターネットにアップロードするのであれば、その放送事業者の複製権送信可能化権が及びます。

    これらの歌唱やレコードあるいは放送事業者の場合はまだ保護期間(歌唱等が行われた時から50年)内であると思います。

    したがって、インターネット上で民謡の歌唱をアップロードするのであれば、詞やメロディを文章や楽譜としてアップロードする場合と異なり、実演家やレコード製作者あるいは放送事業者等それぞれの権利者の許諾が必要となり、無断で行うことはできません。

    照会先 根拠法令
    税金滞納により差し押さえた美術品をインターネット・オークションを利用して売却したいと考えています。その際、美術品や写真等の著作物の画像を商品紹介用にWEBサイトにアップロードすることはできますか。
    インターネットを利用して商品を競りで売るという、インターネット・オークションが盛んです。インターネットを利用した場合、出品者も入札者も手軽に参加できること、オークション(競り売り)という方法が通常の品物の売却方法に比べて楽しみがあるからだと思われます。地方自治体等が、税金滞納等によって差し押さえた物品をインターネット・オークションを利用して競売したところ、予想以上に高値で落札されたというニュースも時々耳にするようになりました。

    ところで、インターネット・オークションの場合は、対面取引ではないため、現物の商品を確認することができません。また、商品の真贋の鑑定、あるいは商品状態の保証がない場合も多いと思われます。

    そこで、インターネット・オークションでは商品を撮影した画像をアップロードし、購入希望者はその画像を見て商品の状態を確認するという方法が一般に取られています。ことに、絵画・彫刻のような美術品、あるいは写真の場合には、その商品状態を確認するだけでなく、商品の特定のためにも、美術品や写真の画像のアップロードが必要になると思われます。

    ところが、絵画・彫刻、あるいは写真の著作物の場合、画像をアップロードするということは、美術あるいは写真の著作物の複製権又は公衆送信権の侵害になる可能性があります。インターネット・オークションの際に、美術品の状態を知るという意味では、画素数の多い鮮明な画像のほうが望ましいのですが、他方、画素数の高い画像のアップロードを許諾すると、その画像自体が鑑賞用に使用される恐れがあり、著作権者の権利が著しく侵害される可能性も生じます。

    そこで、インターネット・オークション等で商品を確認するという必要性と、鑑賞性を有することによって著作権者の権利を侵害する危険とのバランスをとるため、平成21年の著作権法改正により、美術の著作物・写真の著作物の譲渡等の申出に伴い、著作権法施行令及び施行規則で定めた、大きさや精度等の条件に従った場合には、その画像を掲載することができるようになりました。なお、インターネット・オークションがきっかけになった今回の規定ですが、インターネット・オークションに限らず、美術品や写真の販売の際に、カタログ等の図面として掲載することも同様に可能となりました。

    照会先 根拠法令
    個人的にインターネットからダウンロードした著作物を、同じ部署内で情報共有するために、所内にあるイントラネット(組織内ネットワーク)にアップロードすることはできますか。
    インターネット上に公開されている著作物を個人的にダウンロードする行為は、基本的には私的使用のための複製として著作権侵害にはなりません。それでは、これを業務利用のためにイントラネットに掲載することはどうでしょうか。まず、イントラネットに著作物をアップロードすることは公衆送信権の侵害になるのでしょうか。著作権法上の公衆送信とは、公衆によって直接受信されることを目的として、無線通信又は有線電気通信の送信を行うことをいいますが、プログラムの著作物以外の著作物の場合、同一構内における送信は、公衆送信にはなりません。したがって、イントラネットが同一構内にのみ設置されている場合には、あなたがイントラネットにアップロードした著作物がプログラムの著作物以外である限り、公衆送信権(送信可能化を含む)の侵害にはなりません。

    もっとも、公衆送信権の侵害にならないとしても、イントラネットに著作物をアップロードすることは複製行為となるため、複製権の問題が生じます。著作権における「私的使用」とは、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」と規定されており、会社内における使用目的は私的使用には含まれないと解されています。したがって、個人的にダウンロードした著作物を、所内イントラネットにアップロードすることは、目的外使用として「私的使用のため」とは言えなくなり、複製権を侵害したことになってしまいます。

    なお、音楽や映像の違法複製物がインターネット上に蔓延していることから、平成21年の著作権法改正により、無断でアップロードする行為が著作権違反となるだけでなく、個人的に使用する目的でのダウンロードであっても、インターネット上に載っている著作物が著作権侵害物であることを知りながら、デジタル方式の録音又は録画を行うことは、私的使用のための複製には該当しないとの法改正がなされました。更に、平成24年著作権法改正により、一定の場合には、刑事罰が科せられることになりました。したがって、違法複製物と知ってダウンロードする行為自体も著作権侵害になりますので、注意してください。

    照会先 根拠法令

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